個人投資家の税金

投資パフォーマンスばかりに目を奪われがちですが、利益を出した後の税金についても考えたいと思います。

国内トレード(サヤ取り利殖)における市場別の税金について取り上げてみます。


FXの店頭取引で3年間に4億円あまりを稼ぎ、約1億3,900万円の所得税が未納となっていた主婦のケースはご存知ですね?
2007年8月に東京地裁で有罪判決を受けました。

彼女は、「損失が出た年の税金は安くならないのに、儲かった年だけ税金を持っていかれるのは不公平である」と法廷で主張したそうです。

その発言を指して裁判長は、判決文で、「納税意識の欠如がはなはだしい」と断罪しました。


現制度をまとめると、利益の出た年は「雑収入」として確定申告する義務があり、給与所得・事業所得・不動産所得等の他の所得とともに総合課税されます。

一方、損失を出した年は「雑損失」として確定申告すると、他の雑収入とのみ相殺が可能です。
(* 他の所得と相殺することはできませんので注意!)

総合課税というのは、すべての所得を合算した金額をベースに累進税率が決まる制度です。日本の場合、課税対象金額が大きくなるほど納税額が上昇する傾向があります。


もしも、この主婦が為替FXの店頭取引でなく株式(日本株)で4億円を儲けていた場合、彼女が納税すべき金額は大きく変わってきます。

株式の場合には、他の所得と完全に別計算になる分離課税方式で、しかも10%という優遇税率が適用されます。
この場合、4億円の利益に対し、4,000万円の税金を払えば済みます。
つまり、FXの店頭取引と比較すると、1億円近い差がでてくることに気がつきます。

また、株式はある年に発生した損失について、確定申告しておくと、損失分を3年間繰り越すこともできます。

損失をだした年の税金が安くなることはなくとも、翌年以降の利益と相殺することができるのですから、公平な制度といえます。


この主婦が脱税してしまったのは、FXに対する税制の理解が不十分であったことが原因であるといえます。

FXにも「くりっく365」という公設の市場があり、こちらで取引すれば、先物取引と同じ20%の分離課税が適用されるので、彼女の税負担額は8,000万円になったという計算になります。

ただ、「くりっく365」は、対応している会社が13社に留まること、手数料が若干高い印象があること、レバレッジが最高で30倍と低いこと、取り扱い通貨ペアが7種類であるため、中級以上のセミプロには敬遠される傾向があります。(FX初心者には問題ありません)


そろそろまとめに入ります。

あなたが投資して、年間に1,000万円の利益が上がったとします。

税額は、株式なら100万円、商品先物や「くりっく365」なら200万円、FXの店頭取引の場合、他の所得額を合算したものが課税対象額となり、支払い税額が決定します。FXは、高所得者であればあるほど税金が累進的に高くなります。(くりっく365を除く)


だからといって、「高所得者は、FXの店頭取引より株式が有利だから、株式でサヤ取りをやるべし」という単純な結論にはなりません。

FXの店頭取引は100倍程度のレバレッジを効かせても、売買両建てのサヤ取りであれば、リスクコントロールが可能です。

株式では信用取引の枠をめいいっぱい使っても、約3倍のレバレッジしか効かせることはできません。


高所得者であっても、投資に廻せる資金は少なく、レバレッジをかけて積極運用したいならば、FXのサヤ取りを視野に入れてもよいでしょう。

「どの市場のサヤ取りが向いているか?」という命題につき、一概に答えることはできません。


そこで、サヤ取り投資クラブの顧問に、私の友人の税理士・西山幸一氏を招きました。

月例セミナーで、個人投資家のための税金講座も随時開催したいと思いますので、どうぞご期待ください。

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